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6月上旬、Appleの開発者向けイベント「WWDC14」で発表されたiPhone・iPad向けの最新版OS「iOS 8」。公式サイトでは「これまでで最も大規模なiOSのバージョンアップ」と明記されている。iOSはバージョンアップするたびに新機能が話題になるが、今回はどんな機能が追加されるのか? ITライターの鈴木朋子氏に話を聞いた。
「iOS 8は、ユーザーがデバイスを意識することなく、シームレスに情報を扱える点に重きが置かれています。例えば、iPhoneにかかってきた電話をMacで受け取ったり、MacからiPhone経由で発信したり、Macで作成中の書類をiPadで完成させたりすることができるなど、デバイス間のデータ共有が今よりもスムーズになるのです。また、データ連携はデバイス間だけにとどまりません。『Family Sharing』という機能を使うと、最大6人まで家族間で写真やアプリ、カレンダー、音楽などの共有が可能になります」
この他にも、ユーザーに大きなメリットがありそうな新機能を紹介してもらった。
■他社製の日本語文字入力補助ソフト(IME)が使えるようになる
「iOS 8の新機能のうち最も期待されているのは、使いやすい日本語入力システムの導入でしょう。これまではiOS標準の入力方法(ソフトキーボード)しか使えませんでしたが、iOS 8では他社の日本語入力システムを選ぶことができます。ATOKやmazecなど、Androidではおなじみのシステムを開発する各企業が、システムを提供する意向を表明しています」
■メッセージアプリがLINE並みに使いやすくなる
「メッセージアプリの進化も、うれしい新機能のひとつです。音声やムービーをメッセージで送れるようになるほか、グループを作成してチャットする『グループメッセージ』ではスレッドに名前をつけられるようにも。参加者の追加・削除も自由自在で、LINEやFacebookメッセンジャーに近い使い方ができるようになります」
■クラウドストレージサービス「iCloud Drive」がスタート
「これまでのクラウドストレージサービス 『iCloud』をグレードアップした『iCloud Drive』が開始されることにも注目です。『iCloud』では一部のアップル製アプリやフォトストリーム(※注)しかネット上に共有できませんでしたが、『iCloud Drive』ではDropbox、Google Driveなどのクラウドサービスのように、様々なファイルを保存できるようになります。今までと同じく5GBは無料で提供されますが、容量をアップグレードすると、20GBで月額約100円(0.99ドル)、200GBで約400円(3.99ドル)と、現状の『iCloud』(20GBで月額約333円、50GBで月額約833円 ※年払いを月額換算)よりも利用料が安くなるのも魅力です」
iOS 8が正式にリリースされるのは今秋。より便利に進化した数々の新機能に期待したい。
※注:フォトストリームは、iPhoneなどで撮影した写真を「iCloud」上に保管し、同一のApple IDで利用しているすべての機器から閲覧、編集できる仕組み。他の人と共有することもできる。
(池田園子)
【今回お話を聞いたのは、この人…!】
■鈴木朋子
iPhoneやAndroidなどスマホ関連を得意とするライター。スマートフォン専門誌で連載を持ち、新聞やテレビにコメントを寄せることも。LINEやFacebookなど、SNS関連の著作も多い。
Web:http://tomoko.chu.jp/