今こそ押さえておきたい「ボカロ」5選

既存のメロディー素材をつなぎ合わせて、自作の歌詞を入力するだけで、簡単にオリジナルボカロ曲を作成できるアプリ「VOCALOID first」。完成した曲はオーディオファイルにして外部にメール送信できる

いまや1ジャンルとして確立しつつある「ボカロ(ボーカロイド)」を使った楽曲。最近ではボカロ楽曲がオリコンや、カラオケの人気曲ランキングで上位に入ることも多い。さらに有名なボカロ楽曲「千本桜feat.初音ミク」(作詞・作曲・編曲:黒うさP)は企業のテレビCMに起用されたり、「脳漿炸裂ガール」(作詞・作曲・編曲:れるりり)に至ってはその世界観が小説化・漫画化され、昨年末には実写映画化の企画も発表された。

みなさんのなかにも、スマホなどでボカロ動画を見たことがある人も多いはず。けれど、「ボカロって初音ミクだけじゃ…」と思っているも少なくないのでは?

そもそもボカロとは、音符と歌詞を入力するだけで歌声に変換することができる、ヤマハの歌声合成技術および、その応用ソフトウェアのこと。音声の合成には、実際の人の声から作り出した“音声ライブラリ”と呼ばれる音声の断片をつなぎ合わせていく。

音声ライブラリの元の声を提供している人は通称“中の人”と呼ばれ、声優やアニソン歌手のほか、歌手のGACKTや女優の柴崎コウなどの有名人が担当しているものもある。“中の人”の声質や音域などの違いが、各ボカロの特徴となり、現在、国内発のものだけでも実に30種類以上のボカロが登場しているのだ。

では、実際にどんなボカロがいるのだろう? 人気のボカロを発売年代順に5つ紹介しよう。

●初音ミク…2007年発売
“中の人”は声優の藤田咲で、明るく可愛らしい声が特徴。青緑色のツインテールでおなじみのキャラクターをデザインしたのは、イラストレーター・漫画家のKEI。ニコニコ動画に投稿された動画から“ネギを持つ”スタイルが定着。デフォルメされた「はちゅねミク」などの派生キャラもいる。

●神威がくぽ (かむい・がくぽ)…2008年発売
「がくっぽいど」のキャラクター名で、“中の人”は歌手のGACKT。低音の色っぽい声でリアルな歌に聞こえると評判。キャラクターデザインは『ベルセルク』で有名な漫画家・三浦建太郎が担当。紫の髪やニコニコ動画へ投稿された曲などの影響で、ファンの間では“ナス好き”のイメージが浸透しているそう。

●GUMI(グミ)…2009年発売
「メグッポイド」のキャラクター名で、“中の人”は、アニメ『マクロスF』のランカ・リー役で知られる歌手・声優の中島愛。明るくハキハキした歌声で、バランスがとれていてロングセラーとなっている。緑色の髪と頭にかけた大きなゴーグルが印象的なキャラクターをデザインしたのは、漫画家のゆうきまさみ。

●IA(イア)…2013年発売
“中の人”は、ゲームやアニメの主題歌で人気の歌姫「Lia」。透き通るような歌声が特徴で、言葉の繋がりが自然で“調声”しやすいことから制作初心者にも人気だそう。発売時にはAmazonの音楽制作ソフトランキングで1位を獲得。美少女キャラも人気の理由で、デザインを手がけたのは漫画家・赤坂アカ。

●CYBER DIVA(サイバー ディーヴァ)…2015年発売
“中の人”にUS出身のネイティブスピーカーを起用した、ヤマハ純正ボカロライブラリ初の英語女声ライブラリ。クリアな滑舌と自然な発音で、掠れ声や、激しく耳をつんざくような声など、表現豊かな英語の歌声が作り出せる。

最後に、手軽にボカロ曲が作れる無料アプリを紹介したい。2014年11月にヤマハから登場したiPhoneアプリ「VOCALOID first」は、あらかじめメロディーが入った伴奏付きの素材をつなげるだけで、ボカロ楽曲が作れるというもの。曲調によっていくつかの歌詞のテンプレートも用意されているので、初心者には難しいように思える歌詞づくりにも頭を悩ませる必要がない。まずは、気軽に初めてみて、ボカロPデビューしてみる?
(村部春奈/H14)