難問続出アプリ「Q」制作の舞台裏

「Q」が生まれるきっかけとなった問題。このボール、あなたはコップの外に出せる?

スマホの画面に“絵を描く”ことで問題を解くパズルゲーム「Q」が面白い。そして激ムズだ。

出題内容は「コップからボールを出せ」など至ってシンプルだが、その操作方法がちょっと特殊。たとえば画面上にボールを描くと、そのボールが重力によって画面の中を落下していく。落下する先に坂を描くと、坂を転がっていく…。このように、NHKの教育番組『ピタゴラスイッチ』のごとく仕掛けを描き、物理法則を利用して数々の問題を解いていくのだ。シンプルゆえに、クリアできない時は、もどかしくてイライラする。反面、解法を思いつき、見事に解けた時の気持ち良さは格別だ。

「App Store 無料ゲームダウンロードランキング」「Google Play 無料ゲームダウンロードランキング」でともに1位を獲得した本作は、どのように生まれたのだろうか。開発メーカー・リイカの栗田祐介プロデューサーに聞いた。

「ある日、プログラマーのひとりが、『Unity』というゲームエンジン(※ゲーム制作に用いるプログラム)で遊んでいまして、『これで何ができるの?』と聞いたら、『物体の質量や加速度、重力などを物理演算することで、現実世界のようにモノを動かせます』と言われたんです。それで僕が『Unity』でコップとその中にボールを描いて、『このボール、コップの外に出せる?』と問題を作ったら、その場がけっこう盛り上がったんですよ。『あっ、これはゲームになるかも』と思ったのが始まりですね」(栗田さん、以下同)

問題は、どのようにして作っているんですか?

「まず問題を紙に描いてステージを考えたら、そのステージに必要な画像を作って、プログラマーに『Unity』で実際に動くようにプログラムしてもらいます。そうして作った問題がある程度問題がたまった段階で、『じゃあ解いてみようか』とみんなでチャレンジしています」

えっ、じゃあ解き方が分からないまま、問題だけを作っているんですか?

「そうなんですよ(笑)。だから中には解けない問題もありましたし、開発スタッフのみんなが『これはムリだろう』と思った難問をクリアして、一躍ヒーローになったスタッフもいます。ちなみにアプリには現在、500問ほどの問題を用意していますが、この中に解けない問題はありませんのでご安心を」

ゲームをうまく進めるコツはありますか?

ひらめきと想像力が大事ですね。『こんな物を描いて、落下させて、その作用でこれがこう動くんじゃないか?』など、モノの動きをイメージできる人は向いています。あと、どうしてもクリアできない時は、ネットに解き方の動画をアップしてくれているユーザーさんがけっこういるので、それを参考にしてみるのもいいかも。『Q』の問題の解き方は1つではありません。『こんな方法もあるのか!』と、僕もビックリしたことが何度もあります(笑)」

「問題は作ったけど、解き方までは考えていない」というスタートの仕方や、「開発陣が思いもつかないような解き方が生まれる」ところなど、手探りで進めていく面白さを感じながら制作しているという。開発陣も楽しみながら作っている。だからこそ「Q」はウケているのだろう。
(島尻明典/verb)

【取材関連リンク】
Q
http://www.liica.co.jp/contents/q/

コラボ問題の一部を除いて、問題は基本的に栗田プロデューサーが考えている。ちょっと独特なセンスも栗田氏の作風だ
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Q Unity アプリ パズルゲーム