「スマホは便器の●倍汚い」、じつは誤解だった?!

簡単な除菌方法としては、アルコールの含まれたウェットティッシュで拭くのが有効。汚れがたまりやすいパーツの継ぎ目部分は念入りに拭くこと 画像提供/PIXTA(ピクスタ)

日常生活に欠かせないスマホ。外出時はもちろん、在宅時も肌身離さず持ち歩く人は少なくないはず。そんなスマホだが、液晶画面をよく見ると、皮脂や指紋がついて汚いと感じる人もいるだろう。

ちょっと前に、「スマホには便器の18倍の細菌が付着している」という海外の研究結果が話題になったが、スマホが便器より汚いというのは本当なのか? 細菌やカビの研究を行う衛生微生物研究センターの主任研究員・李新一さんにその実態を聞いた。

「手や顔が触れる機会が多いため、細菌がついているイメージはあるでしょう。たとえば手が触れた場合、1回あたり数十~数千の細菌がつきます。しかしながら、細菌が増殖するには最低でも90%以上の湿度が必要です。表面が濡れていたり、よほど湿度の高い場所にいたりしない限り、ほとんどの細菌は短時間で死滅します」(李さん、以下同)

細菌が大量に付着したとしても、乾燥していれば死滅するので、スマホの細菌が特に多いということはないそうだ。では、「スマホが便器よりも汚い」という海外の研究結果はどういうことだろうか。

「便器よりも汚いと聞くと、相当細菌が付いている印象を受けるでしょう。しかし、便器の中はともかく、便座の表面は乾いています。そのため、スマホと同じく細菌が増殖する場所ではなく、その他の身の回りの物と比べても特別に多い場所ではありません。また、過去に当センターで調べた際には、スマホより便器が細菌数が多いこともありました。つまり、2つの菌数は使用方法により変動し、18倍の差は逆転することもあります

スマホに便器の18倍の細菌が付着しているという研究結果を、そこまで不安に思う必要はないようだ。しかし、ある条件がそろえば、細菌が増えるという。

「細菌は、一定の温度と湿度が保たれている状態では爆発的に増えていき、においの原因になります。例えば、布製やゴム製のカバーを付けた状態で水に濡れた後です。そのまま放置をすると、1晩で数百の細菌が数千~数十万単位に増えるでしょう。最近ではスマホを風呂場に持っていく人もいるようですが、それもオススメできません」

逆に言えば、湿度が高くなければ、大げさに心配することもないとのこと。とにかくスマホの表面が濡れたまま放置しないようにすれば大丈夫だろう。

もちろん細菌が死滅するからといって、放置してよいわけではない。皮脂による指紋の跡がついている状態は見た目も悪く、水分が残りやすい状態のため、細菌が増殖するための環境を整えることにもつながる。除菌も兼ねて、ウェットティッシュで拭くなど、清潔に保つことも大切だ。

(杉山大祐/ノオト)

<関連リンク>
衛生微生物研究センター
http://www.kabi.co.jp/

※7月1日~2日にわたり、一部意図とは異なる記述が掲載されていました。
 お詫びして訂正いたします。

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