SIMロック解除の義務化で何が起きる?

総務省のICTサービス安心・安全研究会は、6月30日に「消費者保護ルールの見直し・充実に関するWG」でSIMロック解除を義務付ける方針を発表した
※この画像はサイトのスクリーンショットです

総務省は2015年を目標として、SIMロックの解除をキャリアに義務付ける方針を正式に発表した。SIMロックとは携帯電話に掛ける制限を指し、この制限のある端末では端末を購入したキャリアのSIMカードしか利用できなくなる。そのため、多くの携帯電話では手持ちのスマホを利用して、ほかのキャリアの通信サービスを利用することができなかった。

では、SIMロックが解除されると、ユーザーにはどんなメリットがあるのだろうか? ITライターの佐野正弘氏に聞いた。

「やはり一番はキャリアを自由に変更できるようになること。ただ、SIMロックが解除されても、その端末が対応していない周波数帯を利用するキャリアに移行すれば問題が起きます。通信速度が低下したり、キャリアアグリケーション(異なる複数の周波数帯の電波を同時に使い、通信の高速化を図るもの)など独自のサービスが利用できないこともあるでしょう。また、auはほかのキャリアと3Gの通信方式が違うので、音声通話ができなくなる可能性も。その点でiPhoneは大手キャリア3社の周波数帯と3Gの通信方式に対応しているので、気軽にキャリアを乗り換えられるようになります」

つまり、電波状況や金額面で自分にとってベストなキャリアがあれば、すぐに移行できるようになる。また、SIMロックの解除でもうひとつのメリットとなるのが、海外でのスマホの利用だ。

「自分のスマホをそのまま海外で安く使えるのが、最大のメリットでしょう。これまでもキャリアのローミングサービスを利用すれば同様のことはできましたが、現地で契約したプリペイドSIMを使った方が通信料を安く抑えられます。ただ、SIMを挿しかえると、日本からの着信が受けられません。なので、音声通話専用の端末を別途用意して、そこに自分のSIMを挿しておくとよいでしょう」

では、SIMロックの解除はどのように行われることになるのか。

「今後も初期状態からSIMフリーとなることはないと思われます。今回のガイドラインの内容は、“SIMフリーの義務化”ではなく、“SIMロック解除の義務化”です。現在ドコモでは有料でSIMロックを解除するサービスを行っていますが、恐らくこの方式が適応される可能性が高いでしょうね」

一方で、SIMロック解除の義務化は、通信料の割引を受けるための最低契約期間、いわゆる“縛り”の期間延長を招く可能性もあるという。

「最初に説明しましたが、SIMロックが解除されれば、iPhoneが一番キャリアを乗り換えやすい端末になります。そこで、考えられるのは、iPhoneの割引をやめること。ただ、iPhoneユーザーの多い日本で実施するのは難しいので、やはり縛り期間を延ばすなどして厳しくしたうえで、現在の割引を維持するのが順当ではないでしょうか」

海外旅行の際には大いに役立ちそうだが、ユーザーにとってはメリットよりデメリットが目立つ結果になってしまうかも…。
(丸田鉄平/HEW)

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●佐野正弘さん
ケータイ・モバイル専門ライター。エンジニアとしてデジタルコンテンツ開発の経験を元に活躍している。業界動向からカルチャーまで、ケータイ・スマホに関することなら何でも執筆!

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