ファン!ファン!JAXA!“中の人”「打ち上げの緊張感、ツイートで伝わった」

「ファン!ファン!JAXA!」のキャラクター・ホシモくん。モモンガのようだが、「リーモ星」からやってきた宇宙生物だ 提供:JAXA

宇宙航空分野の研究・開発・利用に至るまで一貫して行っている「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」。宇宙飛行士の訓練や人工衛星の開発などに取り組む「筑波宇宙センター」をはじめとし、全国各地に様々な研究施設がある。そんな宇宙・航空の情報を、一般の人にもわかりやすく伝えるウェブサイト「ファン!ファン!JAXA!」のTwitterアカウント(@FanFunJAXA)がじわじわと人気を集めている。

国際宇宙ステーション(ISS)から撮影した地球の夜景やロケットの打ち上げの瞬間などの貴重な写真が見られるほか、地球から遠く離れた「リーモ星」からやってきたモモンガ似の宇宙生物「ホシモくん」のゆる~いツイートで、フォロワー数は1万7000を超える(2017年7月19日現在)。

アカウントは、ホシモくんとサポートスタッフ数人で運用しているというが、いったいどんな宇宙好きが集まっているのだろうか。

■ホシモくん効果で、他アカウントとの“絡み”も登場

東京・御茶ノ水ソラシティにあるJAXA東京事務所で出迎えてくれたのは、穏やかで優しい雰囲気の広報部の女性。ホシモくんやほかの職員と共に、「中の人」としてアカウントを運用しているという。

実はJAXAには、「JAXAウェブ(@JAXA_jp)」や「JAXA筑波宇宙センター(@TKSC_JAXA)」などの多数の関連アカウントがある。そんななかで「ファン!ファン!JAXA!」ができたきっかけは?

「JAXAは全国にいろんな部署があるため、サイトも部署ごとにあったのですが、宇宙が好きな一般の方がもっと楽しめるようにしようと、2013年に“コミュニティ・サイト”として『ファン!ファン!JAXA!』を開設し、Twitterも始めました。サイトでは読者の方から頂いた質問に答えるなど“コミュニティ”の色合いが強く、TwitterもほかのJAXA関連アカウントと比べると、親しみやすいと思います」(中の人、以下同)

親しみやすさの理由の一つには、ホシモくんの存在が大きいという。

「ホシモくんは宇宙や航空のことが大好きで、JAXAに勉強に来た好奇心旺盛な男の子。サイトの企画でインタビュアーなどもこなしていますが、専門家ではないので、一般の方により近い感覚で発信できるんだと思います。ホシモくんのおかげで、他のアカウントとのやりとりもしやすくなりました」

先日は、相模原市立博物館のキャラクター「さがぽん」とのTwitter上での“絡み”がきっかけとなり、ホシモくん、さがぽん、そして小惑星探査機「はやぶさ」の貴重なスリーショットが公開された。ただし、親しみやすいといっても24万人以上がフォローする「JAXAウェブ」と比べると「フォロワー数はまだまだ」と中の人、「今後追いつけるように頑張りたい」と意気込む。

■JAXAならではツイートの一方、“乗っかった”ツイートも…

アカウントを開設するまで、Twitter初心者だったという中の人だが、今ではTwitterの特性を生かした様々な企画に挑戦している。今年2月からは、ISSから宇宙飛行士が撮影した夜景の写真を使ってTwitterでその撮影地がどこなのかを当てるクイズを出題。地形的な特徴といっても黒地に光の点で描かれた難問ばかり。反応は少ないと思っていたが、多い時で100件以上のリツイートがあったという。

「夜景もそうですが、“なかなか見られない景色”は反応が大きいですね。たとえば、宇宙とアンテナとは切っても切れない関係。衛星の追尾や運用のためにアンテナは重要で、各地にあるJAXA施設のアンテナたちも活躍しています。先日、千葉県にある勝浦宇宙通信所に行く機会があり、間近で撮影したアンテナの写真を投稿したところけっこう評判が良くて。JAXAのアンテナってなかなか見られないので、それが面白かったのかな、と思います」

6月1日には、GPSの精度を高める準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられ、「ファン!ファン!JAXA!」のアカウントでもその様子を伝えた。

「通常ならTwitterの投稿はビジネスタイム内じゃないと難しいんですが、その時は業務で現地に行っている者が数名いたので、現地で写真を撮って送ってもらい、『衛星を打ち上げるロケットが射点に移動しました』と深夜に投稿しました。翌朝も、ロケットが打ち上がる直前の静けさみたいなものを写真に撮って投稿すると、かなり反応をいただきました。テレビのニュースなどとはまた違う、リアルタイムで発信できるTwitterの強みを感じました」

一方で、より多くの人に関心を持ってもらおうと、トレンドに上がってきた診断メーカーの結果をアップしてみたり、「#彼氏とデートなう。に使っていいよ」に“乗っかった”りしたツイートに挑戦したりもしたそうだ。

「先日、愛媛県で『宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)』というイベントがあり、来場者に面白い写真を投稿してもらおうと、『#彼氏とデートなう。』をもじって、『ISTSで宇宙なう。に使っていいよ』と、うちの男性職員をモデルにした写真を載せたんです。ただ、来場者の中にTwitterを使っている人がなかなかいなかったみたいで、残念ながら評判はイマイチ。イベントと、ハッシュタグとが合致していなかったんでしょうね」

ちなみに、モデルの男性職員には「あなたのせいじゃないよ!」と、みんなでフォローしたそうだ。

■漁業や農業にも…生活に役立つ“人工衛星”

なお、「衛星」に関しては特に思い入れが強いという「中の人」。その魅力を語ってくれた。

「宇宙に打ち上げる人工衛星は、可視光だけではなく、赤外線や紫外線、X線など様々な波長から地球を観測しています。たとえば、衛星から畑の植物の活性度を測って収穫に活用することもできます。また、海面温度を測る衛星もあり、観測データは漁業にも役立てられています。さらに、二酸化炭素の量も衛星から計測できるので、地球温暖化がどれだけ進行しているのかも確認できるんです」

衛星のデータをもとに収穫したというお茶


6月に2号機が打ち上げられた準天頂衛星「みちびき」も、私たちの生活をより一層便利にしてくれるという。

「みちびきは日本版GPSといわれる測位衛星で、衛星からの電波で位置を測っています。カーナビやスマートフォンへ提供する測位情報の精度が上がると期待されています。
宇宙って特別なことのように思われがちですが、実は普段の生活にけっこう役立っているんです」

■今年後半もイベントが盛りだくさん、「Twitterもこうご期待!」

8月には「みちびき3号機」の打ち上げ、その後もイプシロンロケット3号機の打ち上げや金井宣茂宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在も始まり、「2017年度はイベントの多い年」だという。最後に、フォロワーへのメッセージをいただいた。

「今後もホシモくんがあちこち飛んで行って、取材してくれたものを『ファン!ファン!JAXA!』のサイトやTwitterでご紹介しようと思っています。また我々スタッフも、ホシモくんをサポートしながら面白い話題や、宇宙に関して知っていただきたいことをTwitterで発信していきたいと思っていますので、ぜひご期待ください!」

(周東淑子/やじろべえ)

【関連リンク】
・ファン!ファン!JAXA!
http://fanfun.jaxa.jp/

・「ファン!ファン!JAXA」公式アカウント(@FanFunJAXA)
https://twitter.com/fanfunjaxa

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